お施餓鬼とは?
お施餓鬼(施食会ともいう)は、仏教の儀式で、餓鬼道にいる苦しい衆生に供養して、成仏を願い、同時に施主自身の功徳を積むことです。
餓鬼に食を施す法要です。
仏教の世界には六道といわれるの六つの世界があります。
「地獄(じごく)」「餓鬼(がき)」「畜生(ちくしょう)」「修羅(しゅら)」「人間(にんげん)」「天上(てんじょう)」
餓鬼というのは常に飢えと乾きに苦しみ、腹は膨れあがり、のどは針のように細く、食物、飲物を手に取ると火に変わってしまうので、決して満たされる事がない場所です。
お施餓鬼会の内容
- 供養する対象:餓鬼道にいる衆生また三界万霊(ありとあらゆるもの)
- 目的:餓鬼道の苦しみから救う
- 時期:年中行われるが、お彼岸とお盆の時期が盛んに行われる
- 内容:経典の読経、供養物(食べ物・飲み物)の供養、法話など
お施餓鬼の起源
お釈迦様の十大弟子の一人に阿難尊者がいました。
多聞第一といわれ、お釈迦様の教えを多く聞いていました。
ある日、阿難尊者は一人で坐禅をしていると、突然目の前に餓鬼が現れました。
餓鬼は「阿難よおまえは、3日のうちに死ぬ。そして、我々と同じ餓鬼道に堕ちるだろう。」と告げました。
恐れおののいた阿難尊者は、お釈迦様に救いを求めました。
すると、お釈迦様は「明日までに無数の餓鬼に飲食を布施し、仏法僧の三宝を供養すれば、無数の餓鬼も救われ、その功徳でお前の寿命ものびるだろう。」とお答えになりました。
翌日、阿難尊者は餓鬼に食べ物や飲み物を施し、経典を唱えながら供養を行いました。
(経典の無量威徳自在光明加持飲食陀羅尼をお唱えすることにより食事が無量に増え餓鬼道の者へ行き渡ったと言われている)
すると、餓鬼は消え、阿難尊者の寿命は延びました。
この話は、餓鬼道に堕ちた衆生を供養することで、救うことができるという教えを伝えています。
また、お施餓鬼を行うことで、施主自身が功徳を積むことができるという教えでもあります。
まとめ
お施餓鬼は、餓鬼道にいる苦しい衆生に供養することで、救いを与えることができる仏教の儀式です。
また、施主自身が功徳を積むこともできます。先祖供養を大切にし、お施餓鬼を行いましょう。