行ってきます」「ただいま」──日常に宿る祈りと感謝の言葉
「行ってきます」「ただいま」──
私たちが毎日のように口にするこの言葉。何気ないあいさつのように思えるかもしれませんが、そこには大きな意味が込められています。
◆「行ってきます」は命を預ける言葉

「行ってきます」は、もともと「行って、また帰ってきます」という意味です
つまりこの言葉には
「必ず戻ってくる」という祈りと
「戻れるかわからないけれど行ってまいります」
という覚悟が含まれているのです。
事故、災害、病気、いつ何が起こるか分からない現代において、外に出るというのは実は命がけの行為でもあります。
だからこそ、「行ってきます」は単なる出発の言葉ではなく、「生きて帰ってきます」という命を預ける言葉だといえるのです。
◆「ただいま」は生還の報告
そして「ただいま」は
外の世界から「無事に戻ってこれた」という報告と感謝の言葉です。
「いま、帰ってきました」
「この命で、またここに戻れました」
という深い意味を持っています。
だからこそ、「おかえり」という返事もまた、無事の帰還を喜ぶ愛と安堵の言葉です。
仏教では、今この瞬間の命を大切にします。
今日「行ってきます」と言えたことも
「ただいま」と帰れたことも、決して当たり前ではなく、たくさんのご縁と守りのおかげです。
家族がいること、家があること、待っていてくれる人がいること。
すべてが「ありがたい」ことなのです。
◆子どもに伝えたい言葉の力
最近では、忙しさやスマートフォンの普及、一人暮らしで、こうしたあいさつを交わす機会が減っている家庭もあるかもしれません。
でも、だからこそ大切にしたい。
「行ってきます」と「ただいま」をきちんと伝え合う家庭は、命を敬い、感謝の心を育てる場所になります。
◆日常に宿る仏の教え
仏さまの教えは、特別な場所にあるのではなく、日常の中に宿っています。
「行ってきます」「ただいま」という言葉を丁寧に交わすことが、すでに祈りであり、修行の一歩なのです。
今日もまた、心を込めて「行ってきます」「ただいま」を伝えられますように。